解き放たれしソフトウェア

GNU/LinuxなどFLOSSについて書いてみるつもり

Firefox 43 の強力なプライベートブラウジング機能

Firefox を使っていますが、最近はプライベートブラウジング機能の強化が進んでいます。

バージョン 43 では、 Firefox の設定の「プライバシー」の項目に「プライベートウィンドウでサイトによるトラッキングをブロックする」というチェックボックスがありますが、 ブロックリストで「簡易ブロック(推奨)」と「厳重ブロック」が選べるようになりました。

参考

簡易の方では「サイトが正常に機能するよう、一部のトラッカーを許可します。」、 厳重の方では「既知のトラッカーをブロックします。一部のサイトが機能しなくなる可能性があります。」とあります。

厳重ブロックにすると、CDNを利用しているなどクロスサイトをやっているウェブサイトでは、一部の表示が抜けるようです。 たしかに、こうした手法はトラッキングにも利用可能なわけですから、当然のことと思われます。

残念ながら、こうしたクロスサイトは近頃では規模の比較的大きなウェブサイトではかなり広まってしまいました。 「厳重ブロック」だととても不便になります。

しかしまたそれは、もう既にトラッキングし放題の基盤が完成されていて、実際にトラッキングされているかもしれないということがいえるわけです。 公開されているほとんどのウェブサイトは、閲覧の前に合意を取り交わすことも無ければ、オプトインでもありません。 そうして公開しているにもかかわらず、情報が収集されています。 世間では「個人を特定できる情報は収集していない」という言い訳が定番ですが、何を通信しているかは往々にしてセンシティブです。

そしていま、こうしてひそひそと収集されているがゆえに、それに対抗する手段も先鋭的で神経質にならざるをえなくなっています。 それは比較していえばたとえば、テロリズムに対抗するために持ち物検査が過剰になり、そして検査が過剰になったからプライバシーの懸念や苦痛も深刻になっているのと似たようなことで。 近年は、NSAによる情報収集の発覚で大騒動になりましたが、NSAが一般人に対する情報収集を過剰に行う根拠もまた、テロリズムへの対抗のためでしょう。

しかし、トラッキングの主目的はそうではなくむしろ、商売のためでしょう。 より本質的に言えば、「ビッグデータを活用すれば収益が増やせる」と言って売り込む商売をしている企業の儲けのためです。

無意味どころか逆効果であるSPAMが大量にばらまかれ、SPAMへの対策に手間がかかって苦痛な上に不経済という実情になって久しいですが、 その不毛で虚しい「戦争」がまたここにもあるのだという感があります。 痛いうえに非生産的でしょう。

私がGNU/Linuxを利用している大きな理由もやはり、WindowsMacintoshなどなどのプロプライエタリが苦痛であり侵食的であるからです。

UNIXLinuxはサーバ向け」と思っている人が少なくありません。 しかし、GNU/Linuxフリーソフトウェアであるがゆえに、「デスクトップ」(エンドユーザ)向けでもあるといえます。 かつて源平合戦の戦乱から奥州に逃れるように、冷戦の東西世界の外の「第三世界」のように、戦場を逃れて「第三の道」を模索しているのがフリーソフトウェアであるという印象があります。