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解き放たれしソフトウェア

GNU/LinuxなどFLOSSについて書いてみるつもり

ownCloudの創始者がNextCloudを始めて、古巣に喧嘩を売っている件

ニュース

フリーソフトウェア(AGPLv3)の ownCloud が、会社組織から非営利コミュニティに移行中です。FSF のサポーター制度にも似ていますが、更に踏み込んだ印象があります。

owncloud.com

他方その中で、創始者である Karlitschek 氏が4月に、「一身上の都合」で ownCloud を辞めました。

その彼が先日に、 NextCloud と称する、ownCloudと競合するソフトウェアプロジェクトの開始を発表しました。

推察するにこの事件もやはり、 フリー(解放)ソフトウェア主義者達と、「オープンソース」を隠れ蓑にしたプロプライエタリ(奴隷化)企業に傾倒していく人々の対立でしょう。例えば FFmpeg と Libav の分裂抗争と同じように(Libav の方がフリー側です)。

この背景には、プロプライエタリ企業による切り崩し工作と同時に、フリーソフトウェアをやっていても食っていけないという切実な社会状況があります。 フリーソフトウェアが正しくても、エンジニアが生きていくための支援が足りない。つまりは、社会の啓蒙不足と、ユーザの認識・理解不足があります。

いまの世の中はすっかり、人の制御を離れて、社会システムの方が人を支配しています。 本来は、人が社会システムを創り、社会システムの方が人の道具であるにもかかわらず。

フリーソフトウェアは、人類のプログレッション(進化、進歩)の帰結です。失った尊厳の奪還です。 プロプライエタリは、人類のリグレッション(退化)です。

オープンソース」と称したところで、我々人類が道具の奴隷と化している状況を推進するのならばそれは、プロプライエタリと同じです。 それが例えば FirefoxChromium の相異であったりします。 たとい「オープンソース」と称しようが、「コミュニティドリブン」と言おうが、本質を理解していれば凡そ見極められるはずです。

オープンソース」は、現状維持や、プロプライエタリ企業の市場開拓(資本と人の主従逆転)、つまりは我々ひとりひとりが奴隷に陥る罠でもあり、欠陥品です。

世間の「クラウド」(主にオンラインストレージ、またアプリケーションサービス)の多くは、プロプライエタリです。 だから、 ownCloud という、ユーザ自身が支配するというコンセプトのフリーソフトウェアが生まれたはずです。 言い換えれば、治者と被治者の同一性(デモクラシー)です。

NextCloud は、「ユーザが情報をコントロールする」というコンセプトだそうですが、それは、ユーザが情報を明け渡すことが念頭にあるのでしょう。 しかし、「ユーザが情報をコントロールする」というのは例えば「個人情報保護」のようなかたちで既にあるわけで、その点では Google だろうがなんだろうが他所の「クラウド」も同じです。 異なるのは単に、サーバソフトウェアのソースコードが公開されているというだけのことなのでしょう。

これでいったいどちらが支持されるのかが、我々の教養レベル(「民度」)を計る試金石になるでしょうね。